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医療法人 綮愛会 石川病院

【シンクライアントソリューション】
Windows Server 2008 R2のリモート デスクトップ サービスを活用し、
1台のPCから医療系システムと情報系システムの両方を利用可能に。
地域の急性期医療を担う病院の業務効率を高め、医師をはじめとする職員満足度の向上に貢献

愛媛県四国中央市に位置し、地域医療の中核を担う医療法人 綮愛会 石川病院。年間1,000件を超える救急搬送を受け入れる同院では、2008年2月に電子カルテを導入。しかし端末の設置スペースの問題から、それまでグループウェアやインターネットへのアクセスに利用していた端末を減らさざるを得ず、業務に支障をきたすことになりました。そこで同院では、セキュリティを保ちつつ、1台のPCから医療系と情報系、両方のシステムを利用する方法を検討。コスト、信頼性、導入のしやすさなどの観点で検証を行った結果、Windows Server 2008 R2の標準機能「リモート デスクトップ サービス (旧称ターミナル サービス)」を利用したソリューションが採用されました。

  • ソフトウェアとサービス
  • Windows Server® 2008 R2
  • Windows Server リモート デスクトップ サービス
  • メリット
  • 1台2役の端末により、医療業務が効率化
  • 院内の限られたデスク スペースの有効利用
  • 従来システムとの同じ操作感により、利用者の負担を軽減
  • ユーザーコメント

「これからは、患者満足度が高いことはもちろんですが、職員満足度も高い病院でないと、経営の維持が難しくなります。今回のソリューションによって、病院スタッフの負担が大幅に軽減しますので、院内の評判も高まると思っています。」

医療法人 綮愛会 石川病院
理事長 病院長 (代行) 医療サービス部長
神 賀代 氏

「仮想化に対する私のイメージは『VMware などのソフトウェアを導入するために、非常に費用がかかる』というものでした。そのため、予算の確保が難しいと半ばあきらめていました。しかし、アルファテック・ソリューションズに『Windows Server 2008 R2 の標準機能で実現できる』と教えてもらい、大変驚きました。そして提示された見積もりを見て、もう一度驚きました。本当にこの金額で大丈夫? (笑)。」

医療法人 綮愛会 石川病院
グループ本部 企画グループ 課長
医療情報技師 診療情報管理士
佐伯 潤 氏

医療法人 綮愛会 石川病院は開設以来、2次救急病院として24時間365日の救急診療を行っています。夜間休日は当直医にて対応し、年間1,000件前後の救急搬送を受け入れています。また、オンコール制により各専門医にて緊急の処置・手術が必要な場合には、専門医がすぐさま駆けつけて対応。急性期医療から回復期、慢性期まで、万全の医療体制を整え、地域の皆様に安心を提供しています。


スムーズな情報共有を支え、「必要な時に調べ物を行える」環境を実現するために

石川病院 理事長 病院長(代行)
医療サービス部長 神 賀代 氏


石川病院 グループ本部
企画グループ 課長
医療情報技師 診療情報管理士
佐伯 潤 氏 (右)
石川病院 グループ本部
企画グループ
金村 幸司 氏(左)

医療法人 綮愛会 石川病院 (以下、石川病院) は1976年の開設以来、入院や手術を要する症例に対する医療を行う2次救急病院として153の病床を有し24時間365日の救急診療を行っています。「四国中央市ではここにしか専門医がいない」という脳神経外科をはじめ、外科、内科を中心に、急性期医療から回復期、慢性期まで、さまざまな医療体制を整え、地域医療の中核を担っています。

しかし、その石川病院にあっても、医師不足や地域医療の偏在の影響は避けられず、1日に数百人は訪れる外来患者と入院患者に、医師20名弱でシフトを組んで対応するという状況下で、医療スタッフへの負担は増え続けていました。「2008年2月、その負担を少しでも減らす狙いで電子カルテの導入を行った」と石川病院 理事長 病院長 (代行) 医療サービス部長 神賀代氏は話します。

「確かな医療を続けていくためには、そこに働く者の満足度を高めていくことが重要です。電子カルテの導入は、医療の情報化の流れに乗るという意味だけでなく、医師をはじめとする医療スタッフ全員が働きやすい環境を整える上で必然でした。」

石川病院では、以前から職員満足度の向上を重視しており、2004年には情報系端末としてPCを導入。院内の情報共有をスムーズにする狙いから、電子メールや掲示板などのグループウェアの機能を活用して、会議の開催といった事務連絡から、複数の部署をまたぐ委員会活動の報告などが行われていました。しかし、電子カルテの導入がこの情報共有環境に影響を与えました。

一般的に、病院内のネットワークは、電子カルテなどの個人情報を取り扱うサービスを利用するための「医療系」と、グループウェアやインターネットを利用するための「情報系」とに物理的に分けて運用されています。石川病院もこの例に漏れず、情報系端末に加えて電子カルテ用の端末も導入されましたが、2台のPCを置くスペースは、診察室にもスタッフの作業場所にも十分にあるわけでありません。そこで、PC導入コストを抑える意味も兼ねて、「従来から情報系端末として使用していたPCの約半数を電子カルテ用に振り替えました」と、石川病院 グループ本部 企画グループ 課長 佐伯潤氏は振り返ります。

「電子カルテは、医療現場に欠かせない基幹システムです。1台のPCしか設置できないとなれば、当然のことながら電子カルテ用が優先されることになります。物理的な設置スペースの問題もあって、情報系端末を半分程度まで減らして、その分のPCを医療系端末として利用するようにしました。」

その結果、今度は電子メールの確認やインターネットで調べ物を行うために移動しなければならなくなったと、神氏は話します。「メールにアクセスできる端末が限られてしまったため、私自身、夕方になるまでメールの確認ができない状態が続きました。スタッフ全員が診察室や病棟などを忙しく行き来していますから、共有の情報系端末を利用する時間もないでしょう。結果としてメールによる連絡への応答や、グループウェア上の連絡事項に気が付くのが遅くなっていました。」

そこで石川病院では、十分なセキュリティを保ちつつ、1台のPCで医療系システムと情報系システムの両方を利用できる方法を検討。その結果選ばれたのが、Windows Server 2008 R2のリモート デスクトップ サービスを利用して、医療系端末から情報系ネットワーク上のサービスを仮想的に利用するというソリューションでした。

"リモート デスクトップ サービス" で医療系と情報系の端末を統合

石川病院では、Windows Server 2008 R2のリモート デスクトップ サービスを活用し、医療系端末に情報系ネットワーク上のサーバーからWindows Internet Explorerのウィンドウを画面転送して、グループウェアとインターネットを利用できるようにしています。
一見すると、あたかも医療系端末上でInternet Explorerを起動しているように見えますが、このInternet ExplorerはPCにインストールされているものではなく、離れた場所にあるサーバー上で動いています。

Windows Server 2008から利用可能となった、リモート デスクトップ サービスのRemoteApp機能を活用したこの方法は、デスクトップ上のアイコンをクリックしてログインするだけで、仮想的にインターネットやメールを利用できるというシンプルなソリューションで、医療現場のスタッフにも、大きな抵抗もなく受け入れられたと言います。

■ システム概念図

システム概念図

しかし、当初はいわゆる "仮想化技術" を使うという発想はなかったと佐伯氏は振り返ります。その理由は「仮想化には多大なコストがかかる」という認識からでした。

「仮想化に対する私のイメージは、VMwareなどの高価なソフトウェアを導入しなければならず、非常に費用がかかるというものでした。そのため、予算の確保が難しいと半ばあきらめていました。」

しかし、と佐伯氏は続けます。

「電子カルテのサーバー インフラをサポートしてくれているアルファテック・ソリューションズに相談したところ、Windows Server 2008 R2の標準機能で実現できると教えてもらい、大変驚きました。そして提示された見積もりを見て、もう一度驚きました。本当にこの金額で大丈夫? (笑)。」

アルファテック・ソリューションズ株式会社(以下、アルファテック・ソリューションズ) がリモート デスクトップ サービスを提案した理由は、大きく2つありました。

  • 既存のクライアント環境や運用形態を大きく変更することなく導入可能
  • Windows Server 2008 R2標準のセキュリティ ポリシー設定により、お客様からの要望に柔軟に対応可能

そしてこの2つのポイントにより、 非常に導入が容易であったと、同社営業本部 ヘルスケアサービス部 中村義孝氏は説明します。

「石川病院様から相談を受けたのは 2010年2月でしたが、決算期の都合上2010年の3月には稼働している必要がありました。限られた時間で、ご要望に応えられるソリューションは何かと検討した結果、リモート デスクトップ サービスの活用を提案させていただきました。実際、採用の決定からわずか1か月で導入できました。」

このように、1か月間という短期間で導入されたリモート デスクトップ サービスですが、利用者である医療スタッフが操作にとまどわないように、ユーザビリティにも留意したと、石川病院 グループ本部 企画グループ 金村幸司氏は説明します。

「いくらメリットがあると言っても、スタッフや医師に新しい操作を覚えてもらうのは簡単ではありません。Internet Explorerのウィンドウ イメージだけをPCに表示するというシンプルな構成にしたのは、リモート デスクトップ サービスに接続していることを、ほとんど意識することなく使えるようにしたかったためです。」

ただ一方で、医療系端末から直接インターネットに接続しているわけではないことが分かるように、リモート デスクトップ サービスに接続しているウィンドウと、PCローカルで起動しているウィンドウの違いを意識させたいという新たな要望も出てきました。

「石川病院様から相談を受け、リモート デスクトップ サービスに接続しているウィンドウのタイトル バーの色を変更することを提案しました。紺色から緑色に変えることで、リモート接続であることが、ひと目で分かるようになっています」と、システム構築を担当したアルファテック・ソリューションズ インフラソリューション事業部 木崎聖直氏は説明します。

■ リモート デスクトップ サービス (画面イメージ)
リモート デスクトップ サービス (画面イメージ)

救急病院ならではの医師の要求に応えるソリューション

医療系端末で、インターネットも閲覧できるようになってから、まだ数か月しか経過していませんが、すでに実感できている導入効果について、神氏は次のように説明します。

「救急病院という性格上、当直に入った医師は、どうしても専門外の患者様を診る機会が多くなります。そうした場合、たとえば薬品や専門的な医学用語などをインターネットで調べられると便利なのですが、患者様をおいて診察室を離れるわけにもいきません。しかし今は、診察室にある 1 台の PC からインターネットにもアクセスできますから、非常に便利になりました。」

利便性を高めるために、医療系端末から情報系ネットワークのサービスを利用する。――そのときに一番気になるのが、セキュリティの問題です。 石川病院でもセキュリティに関しては厳格なポリシーを策定しており、今回のソリューションも、そのポリシーに則った機能の実装が求められました。

■ 主なセキュリティ ポリシー

  •  1. 情報系、医療系ネットワーク間の接続が、本来の用途以外で不正に利用されないこと
  •  2. 医療系ネットワーク上の情報を、情報系ネットワークへ持ち出せないこと

■ 今回のソリューション

  •  1. 医療系、情報系ネットワーク間にファイアウォールを配置
  •   ― 不要な通信の排除に加え、侵入防御、ゲートウェイ型アンチウイルスを実装することにより、セキュリティを確保
  •  2. indows Server 2008 R2の標準機能を活用してデータの持ち出しを防止
  •   ― 医療系、情報系サービスのウィンドウ間で、コピー&ペーストを禁止
  •   ― 情報系ネットワークのリソースへの書込み操作を禁止(読み込みは可能)

「セキュリティについては、『技術的に安全だ』と言われても、簡単にうなずけないこともあります。心理的に不安がありますからね」と佐伯氏は振り返ります。
「ただ、当院ではもともとネットワークを物理的に完全に分けるのではなく、VLANによるセグメント分けで運用してきました。そうした経験から『アクセス制御機能によるネットワークの切り分けなど、行うべき対策が行われていればセキュリティは確保できる』という認識がありました。だからこそ、今回のアルファテック・ソリューションズの提案も、心理的な抵抗は少なかったのかもしれません。」

「個人的に一番良かったと感じているのは、セキュリティの要件を満たしつつも、非常にシンプルなシステムになったことです。難しい操作を要求するシステム、操作の習得のためにわざわざ研修が必要になるシステムは歓迎されません。その点、今回のシステムは、画面上にあるアイコンをクリックしてウィンドウを開くだけですから、簡単です。この操作性については、アルファテック・ソリューションズの努力で、私たちが当初イメージしていたものが実現できたのではないかと思っています」と佐伯氏は言います。

患者満足度と職員満足度の双方を向上させるソリューションを

佐伯氏は、今後の展望として「よりきめ細かなセキュリティ ポリシーを策定することで、あくまで閉じられた医療系ネットワークという環境を維持しながら、メールや掲示板、インターネットの単なる閲覧だけでなく、ファイルの作成やメールへのファイル添付なども可能にし、より便利な環境を提供したい」と話します。
「病院の情報には人の命が懸かっていますから、事故があってはいけません。まずはどのように情報を扱うか、管理側の方針を固め、現場のヒアリングを行うなどして、さらにポリシーを練り込んだ上で、機能の追加を考えたいと思います。」

将来的に新しいデータ活用ができるようになると、医療経営とサービスがさらに向上すると神氏は展望します。

「今回導入したソリューションによって、医療系と情報系、双方のデータの蓄積が進みますので、それらのデータを分析して病院経営にも活用していきたいと考えています。
今後はもっと電子カルテを見やすく、扱いやすくしてくれる端末があるといいですね。紙を扱うような感覚で書いて記録をしたり、患者様に説明して見せたりできる端末のイメージです。患者様にとっても、本やファイルを見るような感覚で所見画像を見たり、医師が目の前で絵を書いて病状を説明したりする方が理解しやすいでしょう。より安心して診察・治療を受けていただくために、ITがより身近な存在として役立つようになるといいですね。」

「厳しい医療業界の現状の中、患者の方々へのサービス向上と共に、医師やスタッフの満足度も上がるような医療ソリューションが求められていると、神氏は言います。
「これからは、患者満足度が高いことはもちろんですが、職員満足度も高い病院でないと、経営の維持が難しくなります。今回のソリューションは、病院スタッフの負担を軽減するという観点で、職員満足度の向上に貢献できると思います。
医療系と情報系のPCが1台に集約されたことの効果は、今後ますます実感されていくでしょう。さまざまな連絡が頻繁にメールで行われるようになっていますし、インターネットを使って、研究論文や薬品情報などの重要な情報を手軽に閲覧できるようになり、医師やスタッフの評判も非常に高いです。」

本事例は、マイクロソフト株式会社と共同制作しました。


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