【連載】 徹底解説!令和2年度 診療報酬改定 | 第1回:診療報酬改定ってなんだろう

徹底解説!令和2年度 診療報酬改定

 

こんにちは、華です。
今日から新しい連載が始まりました。
今回も全部で10回になります。
最後までよろしくお願いします!

さて、今春は2年に1度の医療機関にとっての一大イベント、診療報酬改定がありますので、診療報酬をテーマにしました。
もちろん、やさしく、わかりやすく書きますので、皆さん一緒に勉強しましょう!

 

 

 

診療報酬って何だろう

そもそも「診療報酬」とは何でしょうか。
医療の世界に入ると、真っ先に疑問に思うワードです。

「診療報酬」とは、医療機関の診療料金表のことで、医療機関の料金はこの仕組みで決まっています。
この診療報酬は、景気変動や賃金変動、消費税などを踏まえて変更するとされており、2019年10月の消費税引上げ(8%→10%)の際も、臨時の診療報酬改定が行われました。

一方で、今春の診療報酬改定は2年に1度の定例のものになります。



診療報酬ってどうやって決まるの?

さて、診療報酬改定の内容はどのように決まるのでしょうか。
診療報酬改定のプロセスをご紹介します。

診療報酬改定は、厚生労働省に設置された「社会保障審議会(医療保険部会、医療部会)」と「中央社会保険医療協議会」の2つの検討会で議論されます。 議論の統制を保つため、2つの検討会で議論されることとなっています(昔は1つの検討会で議論していました)。

社会保障審議会は全体的な骨子を担当し、「改定の基本方針」を策定します。その基本方針を受けて、中央社会保険医療協議会は「具体的な点数の設定」を行います。
この点数の設定は、内閣の予算編成会議で診療報酬の「改定率」が決定され、その範囲内で調整を行うことになります。

この中央社会保険医療協議会は、厚生労働大臣の諮問機関です。
ちなみに、諮問とは「有識者または一定機関に意見を求めること」です。
わかりやすく言うと、厚生労働大臣が医療の専門家を集めて委員会を作り、厚生労働省が作った案を会議で専門家に議論してもらって、意見を求めるという仕組みです。そして、その意見は広く国民からも募集するため、公聴会が開かれ、パブリックコメントが募集されます。

このように、改定内容は中央社会保険医療協議会による諮問、パブリックコメントなどで調整され、最後に厚生労働大臣に答申することで、決定されます。
ちなみに、答申とは「諮問機関が、諮問を受けた事項について行政官庁に意見を具申すること」です。
以下の図は、2019年9月27日の社会保障審議会医療保険部会で出された「令和2年度診療報酬改定のスケジュール(案)」です。

これを見ると、2月上旬に「厚生労働大臣に対し、改定案を答申」とあるので、2月上旬には改定の内容が決定し、3月上旬ごろ「診療報酬改定に係る告示・通知」が出され、4月1日に施行されるという、例年通りのスケジュールとなりそうです。
ちなみに、前回の診療報酬改定の答申があった日は、2月7日でした。



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診療報酬改定率

2020年度の診療報酬の改定率は、昨年12月17日の予算の大臣折衝により決定されました。
この改定率は、予算を担当する麻生財務相と社会保障を担当する加藤厚生労働相が内閣で話し合って決定しています。

今回の診療報酬は、全体でマイナス0.46%の引き下げとなりました。

政府が進める「働き方改革」は、医療現場にとっても最重要課題として取り組まれており、それを反映した形になりました。この診療報酬は、「本体」とも呼ばれ、医療および歯科、調剤のサービス部分の料金を指しています。
技術料と言えば、わかりやすいかもしれませんね。
「本体」がプラス0.55%で、そのうち働き方改革の対応分がプラス0.08%上乗せされたことが今回の特徴です。

各科の改定率は、それぞれ医科がプラス0.53%、歯科がプラス0.59%、調剤がプラス0.16%となっています。
一方、薬価(薬の値段)がマイナス0.99%で、材料価格(材料の値段)がマイナス0.02%となりました。

2000年から2020年の改定率の推移を見ると、バブル崩壊後の長引くデフレ経済の影響から、改定率は小幅なプラスかマイナスとなっており、特に「薬価等(薬価+材料価格)」は11回連続のマイナス改定となっています。本体をプラスにし、薬価等をマイナスにすることで調整する流れが継続されています。
前改定よりはマイナス幅は縮小しましたが、今回も調剤薬局にとっては厳しい改定内容となることが予想されます。

過去の改定率データに基づき作成

次回は、2020年度改定の「基本方針」について解説します。