【連載】 徹底解説!令和2年度 診療報酬改定 | 第7回:外来医療の評価

徹底解説!令和2年度 診療報酬改定

 

こんにちは、華です。

政府は、患者にもっとも身近な医療機関として、「かかりつけ医」や「かかりつけ薬局」を位置づけ、患者は医療の窓口である診療所を受診したのちに、診療所の医師が必要性を認めた場合に専門の病院を受診する流れを作ることで、効率的な医療が提供できると考えています。

今回の2020年度の診療報酬改定でも、「患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」と「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」という項目でかかりつけ医等の外来医療の評価が行われています。

そこで、今回は「外来医療」の改正点について解説します。

 

 

外来医療の機能分化の推進

超高齢社会に向けて「地域包括ケアシステム」の構築が進められ、医療機関のさらなる機能分化を進めるために、紹介状なしの定額負担となる病院の病床数が「400床以上」から「200床以上」に拡大されました。

今回は、特定機能病院(※1)と地域医療支援病院(※2)に限定されましたが、将来的にはその他の病院に範囲が拡大される可能性があります。中規模・大規模病院のほとんどにおいて、紹介状が必要となる時代がいずれやって来ようとしています。
それに対応するためには、紹介状の増加に備えて、かかりつけ医である診療所は電子カルテを導入し、迅速に紹介状を作成できる体制を構築する必要があります。

※1 特定機能病院  …高度な先端医療を提供する病院のことで、大学病院やナショナルセンターなど現在全国に86病院(2019年現在)が指定されています。

※2 地域医療支援病院…地域の中核病院としてかかりつけ医など地域医療を支援する病院のことで、現在全国に586病院(2019年現在)が承認を受けています。



かかりつけ機能の推進

かかりつけ医機能を評価した点数である「機能強化加算」「地域包括診療加算」「小児かかりつけ診療料」「小児外来診療料」等の見直しが行われています。

「機能強化加算」の掲示内容について、

① 必要に応じて専門医・専門医療機関に紹介すること

② 医療機能情報提供制度を利用して、かかりつけ医機能を有する医療機関を含む地域の医療機関が検索できること

③ 院内掲示と同様の内容について、患者へ書面で提供すること

と、患者へ同加算の仕組み(意味)をしっかりと伝えることが求められています。

「地域包括診療加算」についての施設基準として、

① 時間外対応加算1又は2の届出

② 医師が常勤換算2名以上、うち1名以上が常勤医師

③ 在宅療養支援診療所、のいずれか一つを満たすこと

とされてきました。
今回は、このうち時間外の対応に係る要件について、複数の医療機関による連携により対応することとして「時間外対応加算3の届出でも良い」ということになりました。

「小児かかりつけ診療料」については、小児に対する継続的な診療をより一層推進する観点から、算定対象患者を「3歳未満」から「6歳未満」に拡大されました。また、「小児外来診療料」についても算定対象患者を「3歳未満」から「6歳未満」に拡大するとともに、院内処方を行わない場合の取扱いが見直されました。



薬局の対人業務へのシフトを受けた「医薬連携」の推進

今改定で調剤薬局の役割が大きく見直されました。本来の医薬分業の効果をしっかりと発揮できるようにと、薬局は「対物業務」から「対人業務」へ強化することが求められています。患者への服薬指導を中心とした業務の見直しが求められています。

診療所と薬局の連携についても強化が求められています。
2018年改定で「残薬」の問題がフォーカスされたことに続き、今改定では「重複投薬解消」が評価されています。具体的には、複数の医療機関を受診する患者の重複投薬を解消するために、薬局が処方医に重複投薬の解消にかかる提案を行うことについて評価が新設されています。
この項目以外にも診療所と薬局の連携を促す改定内容が多くみられますので、診療所は近隣の薬局と打ち合わせを行うと良いと思われます。



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かかりつけ医と他の医療機関との連携(病診連携)の強化

かかりつけ医と病院の連携を強化するため「診療情報提供料Ⅲ」が新設されました。
これは、紹介元であるかかりつけ医に病院等が情報提供をした際に算定できるものです。具体的には、他の医療機関から紹介された患者に、医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書(フィードバック)を提供した場合に、提供する医療機関ごとに患者1人につき3か月に1回に限り算定できるようになりました。
診療情報提供書の役割が、「紹介元⇒紹介先」から、「紹介先⇒紹介元」へと双方向になったことが新しい試みです。



後発医薬品やバイオ後続品の使用促進

医療費を抑制するために価格の安い後発医薬品の使用が推奨されています。後発医薬品の使用は現在、約70%の水準まできましたが、米国並みの80%まで引き上げるため、「一般名処方加算」が各1点引き上げられました。
また、後発医薬品使用体制加算についても、加算4(60%以上)を廃止するとともに、使用数量割合の高い医療機関に対する評価が各2点引き上げとなっています。
在宅自己注射指導管理料については、バイオ後続品(※3)に関する情報を患者に提供した上で、患者の同意を得て、バイオ後続品を導入した場合の評価「バイオ後続品導入初期加算」が新設されました。

※3 バイオ後続品…国内ですでに承認されたバイオテクノロジー応用医薬品(先行バイオ医薬品)と同等・同質の品質、安全性及び有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発される医薬品のこと。



まとめ

2020年度改定では、「外来医療」について、患者のゲートキーパーとして、かかりつけ医である診療所、それを支援する病院(地域医療支援病院等)の双方向の「連携」構築が重要な評価のポイントとなりました。
また、薬局の役割を「対人業務」と明確に位置付け、医薬連携を進める動きを期待しています。医療機関は地域医療の中でのそれぞれの機能(役割)を十分に理解し、適切に行動することが求められています。

<外来医療の評価>

外来医療の評価


次回は、「新型コロナウイルス対策としてのオンライン診療」について書いていこうと思います。



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