【連載】 徹底解説!令和2年度 診療報酬改定 | 第10回:診療報酬改定、COVID-19でICT化が加速する

徹底解説!令和2年度 診療報酬改定

 

こんにちは、華です。

皆さん、いよいよ最終回となりました。今シーズンでは、令和2年度の診療報酬改定と、世界中で猛威を奮う新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてのICT活用について取り上げてまいりました。

 

 

令和2年度 診療報酬改定は医療サービスの効率的な提供を求めている

令和2年度の診療報酬改定では、「超高齢社会(人生100年時代)」と「生産人口の減少」という我が国が抱える2つの構造的課題に対して、かかりつけ医の充実、地域包括ケアの整備、医薬品を中心とした医療費の抑制、そして働き方改革という柱で改定が行われました。

その中でも、オンライン診療を中心とした「医療ICTの推進」や「医療の働き方改革」は、これまでの改定と比べて大きな比重が占められていました。

医療機関が効率的で生産性の高い医療サービスを提供するためには、従来の地域包括ケアや機能分化という考え方に加えて「ICTの利活用」や「タスクシェアリング・タスクシフティング」が必要不可欠であると考えられた結果でしょう。




新型コロナウイルス蔓延による、新たな診療提供のあり方

一方、新型コロナウイルスの蔓延は、医療界に大きな変革を迫っています。

厚労省から相次いで出された通知でも明らかなように、医療崩壊を起こさないために、また医療現場のクラスターを防ぐために、ICTを活用した新しい診療提供を進める意思が強く打ち出されています。




初診から電話・オンライン診療の解禁

2020年4月10日の厚生労働省通知により、「初診から電話・オンライン診療」が解禁となりました。

これまで頑なに、電話やオンラインでの診療はあくまで再診で、初診は対面でという姿勢を貫いてきた方針から、一気に初診からでも対応可能とした今回の変更は、大きな英断であったと思います。
それほど、医療現場は切迫しているという危機感の表れではないでしょうか。
医療機関でのクラスタ―をどう防ぐか、同時に患者への適切な医療をどう継続できるか、という観点から、いち早く来院せずに、継続した医療サービスが受けられる体制整備が必要と考えたのでしょう。

新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)<厚生労働省>
https://www.mhlw.go.jp/content/000621316.pdf




受診方法による選別が始まる

政府は、今回の「初診から電話・オンライン診療」について、それに対応する医療機関を自治体ごとに取りまとめて、ホームページ等で公表するとしています。患者は、それを頼りに受診方法を検討するという新しい流れが出て来ることが予想されます。新型コロナの感染リスクを避けるために、できるだけ受診を控えたいと考えれば、自ずとリスクの低い「電話受診」や「オンライン受診」を患者が選ぶのは明白でしょう。

医療現場では、電話やオンラインでの限界を理解した上で、患者を守り、スタッフを守り、そして医療機関を守るための医療サービスの提供に、いち早く対応する必要が出て来るのです。




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全国に緊急事態宣言、テレワーク整備が急務に

政府は、2020年4月16日に全国に「緊急事態宣言」を発令しました。
先に緊急事態宣言が出されていた7都府県以外の道県においても、「都市部からの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、感染拡大の傾向がみられることから、地域の流行を抑制し、特にゴールデンウィークにおける人の移動を最小化する観点から、全都道府県を緊急事態措置の対象とする」としました。
いずれも期間は2020年5月6日までとしています。すべての国民に対し、不要不急の移動を自粛するよう呼びかけが行われています。

そのような状況下で、会社に出勤しなくとも勤務が行える「テレワーク」の対応が急ピッチで進められています。

「テレワーク」を進めるためには、会社内の会議や決済処理、出退勤管理、クライアントとの打ち合わせなどを、グループウエアやオンライン会議システムなどのICTの利活用が必要になります。
一方で、高いセキュリティレベルの確保も忘れてはなりません。

企業にとっては、大きな投資が迫られるため、政府はそれに対する助成を行っています。
「テレワーク」は、政府が進めている「働き方改革」の中でも推進予定の施策に入っており、COVID-19がそれに拍車をかけたと言えるでしょう。「テレワーク」の整備が全国で行われることで、世の中に「オンライン社会」が根付くのではないかと思われます。




医療機関でのテレワークの整備

医療機関においては、オンライン診療や遠隔読影などがオンライン化として取り上げられますが、テレワークの対象となる業務は他にもあります。

例えば、事務的業務、カンファレンス、医学研究など、ICTを活用すればテレワークも可能です。
院内リソースを利用する業務に関しては、遠隔地から安全に通信を確立する環境を構築することで実現可能となります。セキュリティ面で懸念される方も多いでしょうが、様々なソリューションがあり、実例も増加しています。

カンファレンスには、Microsoft Teamsが最適だと私は思います。
会議資料はすべてペーパーレスで、Teamsで管理できます。
会議のスケジュールも、予約をすれば対象者に通知されますし、そのままTeamsでウェブ会議が開始できます。文字でのコミュニケーションも可能で、スレッドへの書き込みやチャットで会話できます。

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診療報酬改定、新型コロナ危機でICTが加速する

令和2年度の診療報酬改定で「ICTの利活用」や「働き方改革」が重要視され、その後、新型コロナウイルスの蔓延による医療提供体制の変更を余儀なくされました。
そして緊急事態宣言の下での「テレワーク」の推進が行われようとしているいま、日本は一気に「医療機関の受診」と「働き方」という2大活動において、強く行動変容が求められています。
この大きなうねりに対応するか否かは、アフターコロナでの活動に大きな影響をもたらします。

わたしたちも医療業界ならびに、我が国のICT化に全力で支援していきたいと思います。




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ブログ記事は掲載時点(2020年4月)における情報をもとに執筆しており、著者の意見や経験に基づく内容を含んでいます。掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。