◎ATSエンジニアが解説◎ HPE SimpliVity「ホントのところ、どこがいいの?」第5回

ソリューション

既存環境からHPE SimpliVityへの安全な移行

第5回は、既存の仮想化基盤からHPE SimpliVityへ移行する方法について解説します。「サービス無停止で新環境へ移行できないか」というお客様からの相談が増えてきました。「完全無停止」での移行なのか、「数分の計画停止」を許容できるのかによって手順や工数・コストが変わってきます。ATSから最適な方法を提案させていただきます。

①「完全無停止」でシステム移行したい!

仮想化基盤におけるオンライン(無停止)移行の方法としては、「Storage vMotion」がよく知られています。仮想マシンを実行したまま、仮想マシンとデータ領域をデータストア間で移動できる頼もしい技術です。「HPE SimpliVity(新環境)を既存の仮想化基盤(旧環境)のクラスターに組み込んで、Storage vMotionを使えば無停止移行なんてカンタン!」と言いたいところですが、いくつか準備が必要です。

最も大切な準備は、Storage vMotionを実行するための構成要件を満たすよう新旧環境を整えること。具体的には、HPE SimpliVityを旧環境のクラスターに組み込むために「vCenter ServerをSimpliVityに対応したバージョンにアップデート」することが必須になります。vCenterに複数のプラグインを組み合わせている環境では、これらもアップデートの対象になります。

バージョンが整ったら「HPE SimpliVity Plug-in」をvCenterにインストールします。これでHPE SimpliVityが仮想ホストとして認識されます。あとは、ウィザード操作でStorage vMotionを実行すれば、バックグラウンドで仮想ディスクのデータをHPE SimpliVityのストレージ領域にコピーし、差分データをコミットすることで移行は完了です。ただし、Storage vMotion中に多くの書き込みが発生すると転送が遅延しますので、データベース環境などの無停止移行については、事前にATSがアセスメントを行って安全な移行手順やスケジュールをアドバイスさせていただきます。

②「数分の計画停止」を許容できる場合

お客様の環境が「数分間の計画停止なら許容できる」という場合には、無償のバックアップソフトウェア(例:Veeam Backup & Replication Community Edition)を利用した移行をご提案します。この方法では、新旧環境でvCenter Serverのバージョンを統一する必要はありません。ATSで多くの実績がある方法で、コストを抑えながら安全に移行できることを確認しています。

Veeamのようなバックアップソフトウェアでは、仮想マシンを稼働させたまま、既存の仮想基盤からHPE SimpliVityへのバックグラウンドでのデータコピーを実行できます。大半のデータコピーを何週間かかけて進めておき、そして「最後の差分データのみ仮想マシンを停止させて同期させる」仕組みです。データが完全に複製されたら、旧環境の仮想マシンを停止させ、新環境で仮想NICのラベルを付け替えて起動させるフェイルオーバー機能も備えています。環境によって多少変わりますが、「わずか数分のサービス停止」でHPE SimpliVityによる新環境へ移行することができます。

HPE SimpliVityは優れた「秒速バックアップ」機能を標準で備えていますので、一般的にはバックアップソフトウェアなしで運用できます。Veeamのような製品は、HPE SimpliVityから外部のバックアップ装置やメディアにデータを保護するような用途で便利にお使いいただけるはずです。

SimpliVityへのデータ移行方式

第5回、いかがでしたでしょうか。ご質問等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。次回は、数あるHCI製品の中でHPE SimpliVityがお客様にどのように評価されているか、選ばれる理由はどこにあるか詳しくご紹介します。

★今後の予定★
(第1回)急速に実績を拡大するHPE SimpliVity
(第2回)秒速バックアップとBCP・災害対策
(第3回)容量を気にせず「フルクローン方式」でVDIを実現
(第4回)HPE SimpliVityならではの容易な拡張
(第5回)既存システムの移行もHPE SimpliVityなら簡単
(第6回)HPE SimpliVityは他のHCIと何が違う!?
(第7回)オンプレミス環境を月額・従量制で使う
(第8回)HPE SimpliVity最新の導入事例

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