潤和会記念病院様
導入事例

多くの病院が直面する「課題」を根本から解消する
理想的な医療ICTの運用に向けてHCIを採用

超急性期から急性期、回復期、慢性期の機能を有するケアミックス型の病院である潤和会記念病院では、「医療ICTの運用」を最適化するべく、2016年に20台のサーバーで運用していた部門システムの仮想化統合をいち早く実施。バックアップを含めたサーバー2台に集約することで、システム運用のコストを最適化すると共に、システムの安全性を高め、安心できる医療提供体制に貢献してきました。
それから5年。サーバーの保守契約が切れるタイミングを迎えた潤和会記念病院では、「10年先」の運用まで最適化できるよう、新しいテクノロジーの採用に踏み切っています。
それが、Azure Stack HCIです。

一般財団法人 潤和会リハビリテーション振興財団
潤和会記念病院様

宮崎県宮崎市大字小松1119番地

潤和会記念病院は、超急性期から急性期、回復期、慢性期の機能を有するケアミックス型の病院です。脳血管疾患、神経疾患、消化器疾患、整形疾患、外科疾患を中心とし、周術期から在宅復帰までのリハビリテーション医療や緩和ケア医療にまで及ぶ幅広い医療を地域の医療機関と連携しながら提供しています。

お客様の課題
  • 病院経営に過大な負担をかけない医療ICTの運用方法の実現
  • 5年経過後のサーバー保守費用の増大を防ぐ方法の模索
  • 増え続けるシステム、およびデータ量に対応する拡張性の確保
ソリューション
  • 将来的な「医療ICTのフルクラウド化」まで視野に入れたソリューション「Azure Stack HCI」の導入
導入成果
  • 適正コストでのHCIの導入
  • 運用開始後も、サーバー1台単位での拡張が容易。医療ICTシステムの追加にも柔軟に対応
  • 院内の限られた人員でも容易に運用できるメンテナンス性

部門システムの仮想化集約によるメリットを
さらに高める"5年目の選択"

医療ICTシステムの運用管理に伴うコストは、多くの医療機関にとって共通の課題です。

潤和会記念病院にとっても「数多くのシステムを少ない人数で安定的に運用することは、大きな負担だった」と同 財団本部 経営企画部 IT管理室 室長 上級医療情報技師 服部 正樹 氏は振り返ります。

「院内にあるPCやネットワーク、サーバーなどのハードウェアから、電子カルテシステムをはじめとする医療ICTシステムを、少ない人員で運用管理することは容易ではありません。さらに言えば、部門システムも含めて多数のサーバーが稼働している状況で、ひとつひとつに多大な費用をかけてメーカーの保守を更新するわけにもいきません。わずか4名のIT管理室職員で『保守契約が切れているサーバーが故障したらどうすればいいか』と不安を抱えながら精一杯管理していました」

こうした課題を解消するために、潤和会記念病院では2016年に部門システムの仮想化集約を実施。部門システムだけでも20台のサーバーを、2台の仮想基盤に集約。サーバーハードウェアの故障に悩まされることのない環境を実現したことで「いくつもの成果が得られた」と服部 氏は続けます。

「1番のメリットは、システムのライフサイクルを最適化できたことでしょう。旧来はサーバーハードウェアのサポートが切れると同時にシステムの更新を迫られていましたが、仮想化によってハードウェアに依存する必要がなくなったことで、システムによっては追加コストの必要もなく、半永久的に利用を続けられるようになりました。集約することで空調や電源の確保にも余裕ができましたし、メンテナンスの工数も削減できました。非常に満足しています」

そして、仮想化集約から5年目。サーバー保守の更新期限となる2021年に、潤和会記念病院では医療ICTシステムの運用管理を理想的な状態へと、もう一段階押し上げる選択を行っています。
それが、Azure Stack HCI の採用でした。
一般財団法人 潤和会リハビリテーション振興財団
財団本部 経営企画部
IT管理室 室長
服部 正樹 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
西日本事業部
営業部
船田 幸弘
アルファテック・ソリューションズ株式会社
西日本事業部
営業部
南 慎也
アルファテック・ソリューションズ株式会社
西日本事業部
技術部
三松 結希

仮想化集約の”アキレス腱”を克服する、拡張性豊かなHCI

Azure Stack HCIとは、急速なビジネス成長にも柔軟に対応する拡張性を持った「WebスケールIT」を容易に構築できるようパッケージ化された「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」の1つであり、マイクロソフトが提供している仮想化技術「Hyper-V」に対応しています。
Azure Stack HCIはまた、マイクロソフトのパブリック クラウド サービスであるMicrosoft Azureと接続することが可能になっています。

服部 氏は、潤和会記念病院の仮想化環境を支えるインフラを、ハードウェアの保守が切れる2021年のタイミングに合わせて従来の3Tier型の構成(サーバー、ストレージエリアネットワーク、ストレージ)から、HCI へ切り替えることを兼ねてから検討していたと言います。

「先ほどお話した通り、部門システムを仮想化集約したことで、非常に多くのメリットを得ることができました。しかし、2台残った物理サーバーが3Tire構成であったために拡張性が得られず、2016年以降に追加された医療ICTシステムは、別の物理サーバーを追加して稼働させるほかありませんでした。さらに大きな問題は、5年経過後のサーバー保守費用が高額になってしまうことです。『拡張性の低さ』と『保守費用の増大』という2つの問題を解決するには、HCIが一番だろうと考え、先に導入していた病院を見学させていただいてましたが、期待した通りに素晴らしいものでした。ノード数を増やせば一部のサーバーが停止しても運用継続が可能なので、新しいサーバーは従来通りの手厚い保守とし、古いサーバーは保守レベルを落として保守費用を抑える、といった選択肢もあると考えています」

見学先でHCI活用のさまざまなメリットを確信したという服部氏ですが、唯一懸念されたのが「初期費用」の問題でした。
「その病院で採用されていたHCIがとても高価だったため、当院への導入は難しいと感じました。そこで、最適なコストで導入できるHCIを求めて、2019年の秋頃に複数のITパートナーに提案をお願いしました」

その結果、選ばれたのがAzure Stack HCIを推奨したアルファテック・ソリューションズ(以下、ATS)のソリューションだったのです。

Hyper-Vによる低コスト仮想化環境と、クラウドへの連携

実は、2016年に潤和会記念病院が部門システムの仮想化集約を行った際のパートナーも、ATSであり、最適なコストで仮想化できるように、Hyper-Vの採用を提案したのもATSでした。当時から携わっているATS 西日本事業部 営業部 第1ヘルスケア営業グループの船田幸弘は、次のように説明します。

「Hyper-Vは、Windows Serverに標準で付属しているため、追加のライセンスコストが生じないというメリットがありました。運用管理の負荷を下げるために、シンプルかつコストを抑えた構成を望まれていた潤和会記念病院様にとっては、最善の選択肢であったと思います。そして、今回提案させていただいたAzure Stack HCIも、Hyper-Vに対応した基盤であり、既存環境をそのまま移行させることができます。数あるHCI製品の中でもコスト競争力が高いことも魅力でした」

同営業グループの南慎也も次のように続けます。
「さらに言えば当社にはWindows Server系のナレッジも蓄積していますので、構築から運用開始後のオンラインサポートまで、責任をもって提供できる自信がありました」

服部 氏は、ATSの提案が「常に私たちの期待に応えてくれてきた」と振り返ります。
「実は、今回の提案に際してAzure Stack HCIを挙げてきたパートナーはATSだけでした。さらに言えば、2016年当時、システムを提供するパートナーの中には『仮想化にはまだ対応が…』と二の足を踏むところも多い中、『そうじゃない。プライベートクラウド活用を前提として、仮想化を進めるべきだ』という勢いで考えていた私たちにぴったりと寄り添った提案をしてくれたのもATSが一番でした。私が前職で努めていた企業でも『ATSは質の高いパートナーだ』という噂を耳にしていたのですが、それは本当でしたね。5年を超えるお付き合いの中で、私たちの期待と信頼に常に応え続けてくれていることに感謝しています」

フルクラウド化を視野に、災害時医療継続など
すべてのニーズを満たすシステム運用へ

2020年11月にATSの提案が正式に採用されると、2021年1月から構築を開始。ATS 西日本事業部 技術部 第1技術グループ 三松 結希を始めとするチームによって、わずか1カ月で構築は完了。ATSでは、服部氏率いるIT管理室の方々だけでもスムーズに既存環境からのデータ移行ができるように、詳細な手順書をまとめて提出しています。

服部氏は言います。
「この手順書が、非常にありがたかったですね。Hyper-V同士でのV2V(Virtual to Virtual)のデータ移行がとても分かりやすくまとめられていて、実際に操作してみると本当に簡単にデータを移すことができました。あまりに簡単なので移行計画を再度練り直す余裕ができ、今後の選択肢が大きく広がりました。。自分たちの手でいつでも簡単にできると思うと時間の使い方にも幅が出て、非常に気が楽でした。こうしたサポートも、ATSならではだと思います」

こうして完成した新しい仮想化基盤は、潤和会記念病院側でコントロールしているVPN回線を経由して、ATSのチームがオンラインサポートを提供。万一障害が発生した場合にもすぐに技術者がリモートでサポートする万全の体制を整えています。

さらに服部氏は、今回構築した仮想化基盤が、数あるクラウドサービスの中でもいち早く3省3ガイドラインに適応してきたMicrosoft Azureとシームレスに連携できることを高く評価しています。
「当院は河川に程なく近い立地にあり、毎年台風による水害の危険にさらされるため、サーバー管理面でどうしても脆弱な環境となってしまいます。日常でもわずか4人のIT管理室職員で、院内のPCやネットワーク、数々の医療ICTシステムをメンテナンスしていることの危うさを考えれば、物理サーバーはできるだけ外部に配置して専門家に管理を委託した方が、安全に運用できると思っています。今はまだ、さまざまな条件が揃い切っていませんが、医療ICTシステムは極力クラウド化されていくことが望ましいと考えています。そうした”将来の理想像”にも適応できる環境が実現できたことを、とても心強く感じています」
記載の社名・製品名などは各社の商標または登録商標です。
記載の内容は個別に明記された場合を除き2021年5月現在のものです。
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