株式会社学研エデュケーショナル様 導入事例

HPE Nimble Storageを中心に仮想化基盤を刷新し、パブリッククラウドと同等の使いやすさを実現しながら、移行コストを1/2に抑制

「学研教室」や「学研 CAIスクール」を全国に展開する学研エデュケーショナルが、多様な教育サービスを支える仮想化基盤を最新化した。教育コンテンツを収容した講師用ポータル、タブレットPC 向けデジタル教材の配信システム、ICT 教育向けサービス基盤を含む、24時間365日の連続稼働が求められる環境だ。電巧社とアルファテック・ソリューションズは、HPE Nimble Storageを中心に仮想化基盤を刷新。パブリッククラウドと同等の使いやすさを実現しながら、移行コストを1/2に抑制した。

株式会社 学研エデュケーショナル

本社:東京都品川区

年少から小中高校生向けに、「学研教室」「学研 CAIスクール」「科学実験教室」等の教室事業を全国で展開。教材や教育コンテンツの開発における評価も高い。ICTを活用した新しい学びの場の提供、英語やSTEAM教育*、アクティブラーニング、アジア圏を中心とした海外進出にも積極的に取り組んでいる。

お客様の課題
  • 「学研教室」をはじめとする多様な教育サービスを支えるITインフラの最新化
  • 将来のハイブリッドクラウド化を見据えたテクノロジー標準化の推進
ソリューション
  • 仮想化基盤の中核にHPE Nimble Storageを採用しシステム全体の信頼性を向上
  • サーバーおよびストレージの主要コンポーネントを冗長化し単一障害点を解消
  • インフラおよび運用保守のフローを全面的に見直し、問題解決を迅速化
導入後の効果
  • HPE InfoSightの予兆検知により確実な予防保守・事前対応が可能に
  • HPE Nimble Storageの圧縮機能によりデータ量を50%以下に削減
  • パブリッククラウドと同等の使いやすいインフラをオンプレミスで実現
  • インフラ刷新と移行にかかるコストをパブリッククラウド比で1/2に抑制

教材・教育コンテンツのデジタル化を推進

自分で考える力を育てる「学研教室」、ITを活用した個別指導「学研 CAIスクール」など、全国およそ1万教室・20万会員を擁する学研エデュケーショナル。同社の教室事業、教育 ICT事業、塾教材開発事業、コンテンツ事業は、学研グループの中核ビジネスとしてのポジションを占めている。管理部 システム開発課 課長の石原光一氏は次のように紹介する。

「2020年に迫る大学受験改革、東京オリンピックという一大イベントを見据え、STEAM教育分野、オンライン英語事業、海外での教育事業への取り組みを強化しています。教材やコンテンツの開発とサービス提供を一体として推進する中、私たちシステム開発課は次の10年を見据え、学研の教育サービスを支える仮想化基盤の最新化に取り組みました」

教材や教育コンテンツのデジタル化は急速に進んでいる。動画を中心とする教育支援コンテンツを収容した講師用ポータルは教室運営に欠かせない環境だ。1999年の開校以来1人1台のPC環境を提供している「学研CAIスクール」では、デジタル教材はよりリッチでインタラクティブな形に進化している。
「ハードウェア更新のタイミングに合わせ、次期仮想化基盤のあるべき姿を描きました。24時間365日、無停止でサービスを提供し続けることは必須の要件。さらに、デジタル化の進展でますます高まるシステム負荷にどう対処していくか、これも大きな課題でした」と話すのは、同課の中嶋優美氏である。

仮想化基盤の最新化プロジェクトで石原氏、中嶋氏が掲げた方針は、次の3つに整理できる。
 ① サービス無停止を実現するテクノロジーの採用と運用保守フローの強化
 ② ハードウェアの標準化と、最新テクノロジー採用による高性能化
 ③ パブリッククラウドサービスに比肩する扱いやすさと柔軟性の獲得

これらの要件に応えたのは、長年にわたり学研グループのアプリケーション開発と仮想化基盤の構築・運用を支援している電巧社。そして、HPEインフラ製品によるソリューションを提供するアルファテック・ソリューションズである。

稼働率99.9999%を誇るHPE Nimble Storageを採用

学研エデュケーショナルが示した方針に対し、電巧社とアルファテック・ソリューションズは協力して提案を具体化していった。電巧社 SI事業部で技術部長を務める髙橋敦史氏は、インフラ設計のポイントを次のように説明する。

「仮想化基盤の信頼性・可用性向上の要となるのは統合ストレージです。私たちの提案の軸は、99.9999%(年間停止時間約23秒)を超える驚異的な稼働実績を誇る『HPE Nimble Storage』を仮想化基盤の中核に据えることでした」

HPE Nimble Storageは、ハードウェアレベルでの優れた耐障害性と、AIを活用した予兆検知機能を備えた新世代ストレージとして急速に支持を拡大している。HPEインフラ製品のインテグレーションで多くの実績を持つアルファテック・ソリューションズの印南浩次氏は次のように説明する。「HPE Nimble Storage最大の特長は、AIベースのレコメンデーションエンジン『HPE InfoSight』が問題の予兆を自動検知し、適切な対処法を示してくれることです。これにより、障害が発生してサービスに影響が及ぶ前に、真にプロアクティブな保守対応が可能になります。また、ハードウェアレベルでは、ディスク3本で同時に障害が発生しても処理を継続できるトリプルパリティRAID を備え、コントローラー障害時の交換やファームウェア更新も無停止で行えます」

開発元のHPEでは、HPE InfoSightにより「ユーザーが問題を把握する前に、その86%を自動的に予測して解決できる」としている。HPE Nimble Storageは、学研エデュケーショナルの求める『無停止』という要件にまさに合致したソリューションとなった。

「どれだけ高品質なハードウェアでも、不調のリスクはゼロにはなりません。『壊れることを前提に、予兆を検知して事前に対処可能にする』という発想転換が素晴らしいと感じました」中嶋氏は評価する。

石原氏も、「HPE Nimble Storage をSSDとHDDのハイブリッド構成とし、コストを抑えながら高いIOPSを実現しました。同時に10Gのネットワーク帯域も確保しています。動画配信を含めて教材やコンテンツがますますリッチになっていく中で、これらは大きな安心材料です。また、HPENimble Storageならではの圧縮・重複排除技術によるデータ削減効果にも期待しています」と話す。
学研エデュケーショナル
管理部
システム開発課・事務二課
課長 石原 光一 氏
学研エデュケーショナル
管理部
システム開発課
中嶋 優美 氏
電巧社
SI 事業部
執行役員 技術部長
兼 システム開発推進課
課長 髙橋 敦史 氏
電巧社
SI 事業部
システム開発推進課
チームリーダー
石田 太陽 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
製品ソリューション部
営業グループ マネージャ
印南 浩次 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
ICTサポートサービス部
システムサービスグループ
第1チーム
杉山 文孝 氏

運用監視から保守の一貫したフローを強化

学研エデュケーショナルの教育サービスを支える新しい仮想化基盤は、2018年10月に構築を完了。25系統およそ200VMを稼働させるシステムは、統合によって大幅に標準化・シンプル化された。電巧社 SI事業部の石田太陽氏は次のように話す。

「10台以上あった新旧サーバー群を、わずか3台のHPE ProLiant DL360 Gen10に集約しました。最新化により、機器の設置スペースを従来の半分以下に削減しながら2倍以上の処理性能を確保しています。また、仮想化環境をVMware vSphereに統一し、VMware HAによってハードウェア障害に備えています」

インフラの単一障害点を解消するとともに、新環境の運用監視から保守に至るフローもアルファテック・ソリューションズ主導で大きく見直された。同社の杉山文孝氏は次のように話す。 「アルファテック・ソリューションズは、三菱ケミカルグループ約400社・6万5千ユーザー向けにITインフラのマネージドサービスを提供しています。ここで培った24時間365日の高品質なサポートモデルを、学研エデュケーショナル様の仮想化基盤に適用しました」

アルファテック・ソリューションズのサポートチームは、HPE Nimble StorageおよびHPE ProLiant DL360 Gen10による仮想化基盤を統合的に監視し、予兆検知テクノロジーを活用して真の予防保守を実現した。

「これまでは、深刻な障害が発生した場合には、たとえ深夜でも私たちが現場対応しなければなりませんでした。保守がアルファテック・ソリューションズに一元化されたことで、指示を出すことなく自律的に対応してもらえ、私たちは『結果報告を受けるだけ』で済むようになりました。まさに劇的な改善です」

パブリッククラウド比で総コストを1/2に

学研グループは、パブリッククラウドサービスの採用にも積極的に取り組んでいる。仮想化基盤の最新化は、こうした流れに逆行するものなのだろうか。

「今回の最新化により、最適なシステムへのステージを一段上がることができたと捉えています。新旧混在していたシステムの標準化を大きく前進させたことで、いつでもパブリッククラウド/ハイブリッドクラウドへ移行できる準備が整いました」と中嶋氏は話す。

学研エデュケーショナルにとって、「最適なシステム」とはどのようなものか。石原氏が次のように話して締めくくった。

「システムには『投資対効果』という明確な評価基準があります。私たちの試算では、パブリッククラウドへの移行と運用にかかるコストは、インフラ最新化の2倍に達することがわかりました。クラウドと同等の使いやすさと、それ以上の安心感を手に入れることができたのですから、HPENimble Storageによる最新化は私たちにとって最適な選択だったことは間違いありません」
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