京都府南部の拠点病院として地域医療を支える京都岡本記念病院が、最新のハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品HPE SimpliVityにより情報系システムを最新化した。まず、2ノードによるスモールスタートでグループウェアを中心とする3群の 仮想化システムを集約。今後、電子カルテシステムを稼働させる統合的な仮想化基盤として成長させていく計画だ。アルファテック・ソリューションズは、24時間365日停止の許されない本システムの設計・構築・移行を全面的にサポートした。

概要

お客様課題

• 24時間365日無停止運用が必須の情報系システムのインフラ最新化
• 電子カルテシステムの稼働を視野に入れたテクノロジーとインフラ製品の評価

ソリューション

• HPE SimpliVityにより3群の仮想化システムをコンパクトに集約
• 2ノードの最小構成からスタートし、統合計画に合わせて段階的な拡張を可能に
• HPE SimpliVityの標準機能によりバックアップ運用を自動化

導入成果

• インフラ最新化と運用保守体制の強化によりシステムの信頼性・可用性を向上
• 将来にわたり無停止でのシステム拡張と筐体アップグレードを可能に
• 優れた重複排除・圧縮効果によりデータ量をおよそ40%削減

病院紹介

社会医療法人 岡本病院(財団)
京都岡本記念病院

(開設者 理事長 藤井信吾)
全31科の診療科目により京都府南部の地域医療を支える拠点病院。総面積約30,000m²の施設に、特定集中治療室(ICU)8床、脳卒中ケアユニット(SCU)6床を含め全419床を擁する。
https://www.okamoto-hp.or.jp


チャレンジ

地域医療を支える拠点病院の新たなチャレンジ

京都岡本記念病院は、京都府南部の地域医療を支える拠点病院である。1906年に開所された診療所を発祥とし、医療法人化を経て1979年に宇治市に第二岡本病院を開設。2016年に京都府南部の久御山町に移転・改称して現在に至る歴史は、実に110年を超える。近年は、救急医療、がん診療、地域医療、災害医療、リハビリテーションの強化に力を注いできた。同院 医療情報・情報システム課 課長の小西秀昌氏は、次のように説明する。

京都岡本記念病院では、『地域を支え、地域に支えられる病院』を基本方針に掲げ、31の診療科で1,000名を超えるドクターと医療スタッフがトータルな医療サービスを提供しています。また、国や京都府から、二次救急医療機関、地域医療支援病院、地域がん診療病院、災害拠点病院、地域リハビリテーション支援センターの指定を受け地域に貢献しています。

小西氏ら医療情報・情報システム課では、2010年からシステムの仮想化統合に取り組んできた。そして久御山町への新築移転後の2019年、病院グループウェア(CoMedix)をはじめとする3群の仮想化システムを集約するプロジェクトを完了させた。

病院グループウェアは、1,000名以上の医師とスタッフが日々の業務に活用する基盤システムのひとつです。スケジュール管理や文書管理をはじめ、インシデントレポートの共有やEラーニングにも活用されています。また、緊急時の情報伝達にも重要な役割を果たしており、24時間365日停止の許されない病院の指示系統という位置づけです。」と同課の田浦輝氏は話す。

京都岡本記念病院は、医療情報システムの分野で豊富な実績を持つアルファテック・ソリューションズ(ATS)をインフラ構築パートナーに指名。仮想化システムを集約するプラットフォームとして、最新のハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品HPE SimpliVityを選定した。

  • 社会医療法人 岡本病院(財団)
    京都岡本記念病院
    経営企画部
    情報システム課
    課長 小西 秀昌 氏
  • 社会医療法人 岡本病院(財団)
    京都岡本記念病院
    経営企画部
    情報システム課
    田浦 輝 氏
  • アルファテック・ソリューションズ株式会社
    西日本事業部
    ヘルスケア営業部
    船田 幸弘 氏
  • アルファテック・ソリューションズ株式会社
    西日本事業部
    技術部
    村尾 大治 氏

ソリューション

2ノードのHPE SimpliVityでスモールスタート

HPE SimpliVityは、世界トップクラスのシェアを持つHCI製品である。サーバーとストレージをシンプルかつコンパクトに統合するHCIのメリットとともに、ハードウェアアクセラレーターによる超高速インライン圧縮+重複排除、超高速バックアップといったユニークな価値を提供する。

アルファテック・ソリューションズは、HPE SimpliVityの検証環境を自社に用意し、導入経験豊富なエンジニアチームを擁する「HPE SimpliVity I&Sフォーカスパートナー」に認定されている。

最初にHCI に着目したのは、2016年の新病院への移設プロジェクトでした。この時はコストが見合わず断念したのですが、インフラ機器をシンプル化できること、ストレージを含めて高い可用性を実現できるHCIへの期待が高まりました。そして2019年、満を持してHPE SimpliVityを採用したのです。決め手は2ノードからのスモールスタートが可能なことでした。」と小西氏は振り返る。

HPE SimpliVityは、RAID(ディスク冗長化)およびRAIN(ノード冗長化)によりハードウェアレベルで高可用性・耐障害性を確保しており、最小2ノード構成からこれを実現できる。他のHCI 製品は最小3ノードの構成を推奨しており、2ノード構成が可能な場合でも可用性・耐障害性に課題を残すことがあるので注意が必要だ。

インフラ機器、システム移行、運用保守等を含めた総合評価で、ATSの提案が最も投資対効果に優れていました。初期コストを抑えた2ノード構成から始めて、システム集約の範囲を広げる過程でノードを追加できるため、過剰な先行投資が不要なことも大きな魅力でした。」と小西氏は評価する。

HPE SimpliVityのシステム拡張は、管理ツールを操作してノードをクラスターに追加するだけの簡単な手順で行える。バックグラウンドで、ノード、RAID、RAINそれぞれの再構成が自動実行され、vCenterからリソースプールとして利用可能になる。HCIノード単位の拡張に加え、サーバーノードを追加してCPU・メモリリソースだけを増強することも可能だ。



ノード追加はオンラインで行えますので計画停止は最小限で済みます。このHPE SimpliVityの優れた可用性と拡張性が、私たちの描く『統合的な仮想化基盤』の具現化に寄与してくれると確信しています。」(小西氏)

ベネフィット

「統合的な仮想化基盤」の実現を見据えた評価

小西氏の言う「統合的な仮想化基盤」とはどのようなものか。2010年から取り組んできた仮想化統合と何が違うのだろうか。

これまで、電子カルテ、検査系、画像系、医事会計、情報系など、独立した複数の仮想化システムを運用してきた経緯があります。私たちが『統合的な仮想化基盤』で実現したいのは、標準化されたインフラテクノロジー上でこれらの多様なアプリケーションを安心・安全に稼働できる環境です。次のチャレンジは、同じHPE SimpliVity 基盤上で電子カルテシステムを稼働させることです。」と小西氏は力を込める。

今回のプロジェクトでは、HPE SimpliVity 上に病院グループウェアをはじめとする3群の仮想化システムが集約されたが、これは「統合的な仮想化基盤」の実現を見据えた評価を兼ねている。

アルファテック・ソリューションズの船田幸弘氏は、「私たちの提案のポイントは、HPE SimpliVityによる仮想化基盤をサイロ化させることなく、将来にわたって使い続けることのできる統合基盤を実現することでした。電子カルテシステムの統合に際してはHPE SimpliVityを増設し、数年後に新しいアプリケーションを統合する場合にはさらにHPE SimpliVityやサーバーノードを追加することで対応可能です。さらに、古くなったHPE SimpliVityから順に、計画的にリフレッシュしていくこともできます。」と話す。

病院グループウェアのバックアップを5秒で実現

新しい仮想化基盤の運用が開始されて、田浦氏はHPE SimpliVityならではのメリットを実感しているという。

バックアップが完全に自動化されたことで、運用負荷は大幅に軽減されました。しかも、病院グループウェアのイメージバックアップはわずか5秒で完了します。リストアもクリック操作だけの簡単な手順で行え、仮想マシンのクローン作成に要する時間は5分程度です。」(小西氏)
HPE SimpliVityでは、格納するデータを「部品データ」と「メタデータ」に分解して個別に管理し、トランザクションが発生すると新しい部品データとメタデータ、メタデータのクローンをそれぞれ物理的に別の2筐体で同時保存する。こうしたデータの最小化が「秒速バックアップ」を可能にするポイントである。

専用のハードウェアアクセラレーターを搭載し、本体のCPUに負荷をかけることなくデータ圧縮や重複排除を実行できることもHPE SimpliVityの特長です。本番環境での重複排除・圧縮の効果は40%以上に達しています。」とATSの村尾大治氏は話す。

使い慣れたvCenterからHPE SimpliVityを操作できることも嬉しいですね。リソースや稼働の状況をわかりやすく表示してくれますが、日常的な運用はほとんど手放しの状態です。」と田浦氏は笑顔を見せる。

可用性・耐障害性に優れた基盤、手間のかからない運用、ATSとHPEが連携する保守体制――これらが整えられたことで、「統合的な仮想化基盤」の理想に大きく近づいた。最後に、小西氏が次のように語って締めくくった。
HPE SimpliVityにより、クラウドと同等の俊敏性や拡張性をオンプレミスの基盤で実現しました。この基盤を拡張・更新しながら、理想の『統合的な仮想化基盤』へと成長させていきたいと考えています。電子カルテの移行に際しては災害対策が不可欠ですが、HPE SimpliVityのRapid DRを使ってこれを実現するための検討も開始しました。
ATSには、これからも継続的なサポートを期待しています。

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